永遠の仔

永遠の仔〈5〉言葉 (幻冬舎文庫)

永遠の仔〈5〉言葉 (幻冬舎文庫)

子どもを持つ前に読んでもらいたい作品です。親と子、そして家族の関係をとても考えさせられるものでした。
安易な気持ちで子どもを産んで、子どもの魂を殺すような、子どもに優希や梁平、笙一郎のような経験をさせるようなことが決してないように、と心から思いました。
私は「できちゃった結婚」に反対です。いいきっかけとする人もいるようですが、いいきっかけとしたなら一生涯「いいもの」として子どもと接してほしい。決して、「あんたが出来たから結婚した」「あんたが生まれてこなかったら今頃は・・」ということを、口に出さないことは当然のこと、態度にも見せないようにしてほしいと思います。自分が生まれたことを親に否定されたら、唯一無二である親からの愛を感じられなくなったら、子どもはどのように感じるか、この本を読めば痛いほど伝わってくると思います。
もちろん、できちゃった結婚でなくても虐待をする親はいるし、できちゃった結婚でも子どもの魂を殺すようなことなく愛を注ぎきる親ももちろんいると思います。ただ、どうしても「できちゃった結婚」の方が、上のような子どもに責任を押し付けるような発言をしてしまう可能性は多いと思います。

私自身も自分の思い通りにならないことにすぐイラつく性格で、未熟な人間なので、いつか結婚して子どもを持つ、持ちたいと思ったときには、もう一度この作品を読んで、絶対に子どもに生きることを悪と思わせないように、必死に自分を変えていきたいと思います。