秘密

秘密 (文春文庫)

秘密 (文春文庫)

初めての東野圭吾作品。ドラマの「白夜行」が始まる前から、ミステリーで名の知れた存在だということを知ってて、直木賞を取ってからも読みたいなぁと思ってたのが、今頃に・・(汗)

事故に巻き込まれた妻と娘。妻は死に、娘だけ生き残る。しかし、娘の体には妻の人格が宿っていた。という有り得ない設定ですが、設定こそ有り得ないものの、事故に遭った者の心理、加害者の遺族の悲しみ、もう一度青春時代を過ごすことになる妻と主人公との間の考えの相違など、すごくリアルに描かれています。
父を亡くした私の母も、主人公の平介と同じことを考えることがあるかも知れない。そう考えると切なくてたまりませんでした。

何が「秘密」なのか。分かったとき、涙が出ました。
これを機に、どんどん東野さんの作品を読んでみようと思います。